【お酒を飲むなら】アーユルヴェーダの教えによる「お酒の飲み方、お酒とのつきあい方」

 

お酒は好きですか?

毎日少量嗜む人、
毎日豪快に飲む人、
ごく時々、付き合いで飲む人
好きでないから全く飲まない人
要らないから全く飲まない人、・・・

それぞれだと思います。

 

今回はアーユルヴェーダ的視点からみる「お酒のこと」、「お酒との付き合い方」についてお話します



お酒は「なに」か?

お酒は意識を今から離し、
分離させるもの

私はヨガとアーユルヴェーダの匠からそのように教わりました。

現に私自身の経験で云うと
お酒の飲み方とその結果はまさに “ 分離 ” した状態でした。

アーユルヴェーダでは、
物事に属する性質・作用を3つのグナとして分けてみます。

・サットヴァ「純粋なもの、光と滋養をもたらすもの、愛のあるもの」
・ラジャス「動的なもの、活力と刺激もたらすもの、強さを伴うも」
・タマス「惰性なもの、重さと鈍さをもたらすもの、死を宿すもの」

お酒はこの中でいうと、
ラジャスとタマスの両方の性質を持っています。

刺激を与えるあとで、だるく重さを伴うということです。

特に、正しい飲み方をしない場合には
この性質が偏って作用しやすく、
お酒の経験に対し
良い思い出があまりないという人も少なくないと思います。



アーユルヴェーダ的にみる

「お酒との付き合い方」

お酒は飲まない方がいいの?
お酒、やめるのはムリよ

というお声をプラクティスでもよく聞きます。

私個人の経験から言えば
・なぜそれを飲むか?の理由と
・飲んだ結果どうか?の結果で
個々に向き合って選択するのがベストだと思っています。

私自身は
お酒を上手には飲んでいなかったし、
結果もうまくいっているとは
到底思えないものでしたので、

自然と飲まないようになりました
( + あとからの学びの結果、私のような体質ではお酒を飲まないべき、とされていました 笑)

>> 【お酒の経験と私の暮らし】

 

古代より伝わるアーユルヴェーダの教えにも、実はきちんとその教え「お酒との付き合い方」が説かれています。

日本人で初めてインドのアーユルヴェーダ医になられた稲村さんの本〈寿命の科学 アーユルヴェーダ〉より内容を一部抜粋しています。

——————————————————————

インドでは女性はほとんど飲酒しません。

ヒンズー教もイスラム教も
飲酒を禁止しているため、
インドの人たちは
ほとんどアルコールを口にしません。

これは、
インドのように熱いピッタの国では
お酒は不向きという理由もあります。

お酒というのは身体内に入って
熱を発生させるために、
ピッタヴァータを増やすことになるからです。

逆に北に位置する国の場合は、
身体の中から温めるためにもお酒が有効なのです。

北国で飲酒が盛んなのは、
気候上の必要に迫られてという一面も見逃せません。

・・・そして、
アーユルヴェーダが
飲酒を禁止しているかというと、

お酒に対しても実にニュートラムな考え方をしています。

——————————————————————

“ お酒を飲んでもいいが、飲まれるな ”

これこそが、
アーユルヴェーダのいう「お酒との付き合い方」の根本です。

「ナンだ、それなら知ってし、やってるヨ」
とお思いかもしれませんが、
ここからが本題で
さすがは寿命の科学アーユルヴェーダ‥と思わず納得するような記述が続きます。

* 体質に応じた飲酒の仕方
飲酒に適しているのはヴァータ、カパ体質の人で、ピッタの人は飲酒は控える
一日に飲む量は、弱い酒の場合で 600 CC弱まで
暑い季節や国では飲酒は控える
飲酒は油で揚げた食品や肉と一緒に摂る
完璧に装飾され、音楽や香料で満たされた部屋で、女性を含む友人同士で飲酒するのが良い
精神が激怒しやすい人、落ち込みやすい人、悲漢に暮れている人も飲酒は控える

…つまり、気持ちよく、楽しく飲むお酒は健康のためになるが、飲むことによって(その後)怒りや悲しみが助長されるようなお酒は慎むべきであると言っています。

またアーユルヴェーダのお医者さんは
・アルコールが身体や心にどのような作用を及ぼすかをしっかりと知ったうえで
・個々の体質に応じた飲酒の仕方を指導すること
も務めの一つに含まれているそうです。

お酒をただ「控えるように」というだけでなく、
「何を」「どのように」「どれくらい」を、人それぞれに合わせて細かな提示をします。

* お酒が身体や心にどのような作用を及ぼすか

アーユルヴェーダの原典 “スシュルタ ” には
以下のように記されています。

「ルールに従い飲用された酒は、多くの良い性質を持っており、
仕事への意欲を増し、精神的満足を与え、耐力、皮膚の光沢を増す」

体質の傾向を鑑みると、ヴァータの人では緊張をほぐしリラックスするのに、カパ体質の人では身体を温めリフレッシュするのに適量のお酒が有効のようです。



アーユルヴェーダ的
理想のお酒の飲み方

お酒を飲む場合は、以下のような環境のもと飲むと良いと記されています。

* その日やるべき仕事を全て済ませた後に
* 冷たいシャワーを浴びて
* 体には白檀の香料を塗ります
* 仕事で着ていた服とは別のできるだけ魅力的な服を身に着けて
* ジャスミンの花を髪か胸元につけて
* 自然の風の入る場所
* 美しく、くつろげる空間でお酒を飲みます

_そうすることでお酒の持つプラスの面を引き出すことができます。生命と健康に効果的なお酒を飲むためにはそれなりの演出と心構えが必要 ということになります。


<ヴァータ優位な体質の人に向いている飲み方>

・軽い運動をした後にオイルマッサージ行う、シャワーを浴びて白檀のような香水をつける
・お香の漂う部屋で、油性分が多く温かい料理を食べながら飲むのが良い

・お酒はヴァータ優位な人の乾燥性を高めるので、空腹状態では絶対に飲まないこと
・あまりアルコール度の高くないお酒や果実酒を、おつまみを食べながら飲むと悪酔いする心配はありません

>> ヴァ―タ体質の人の特徴

 

<ピッタ優位な体質の人に向いている飲み方>
・ピッタ優位な人は飲まない方がいい
・もし飲む場合には涼しい場所での飲酒が適しています
(暑いときには冷房のよく効いた部屋で)
・冷たくした食物や甘味のあるもの、あるいは油成分のある料理を食べながら少量のお酒を楽しみ、決してお酒にのまれてはいけません

・ピッタ体質の人はたいがい酒好きでしかも酒に強いため、ついつい飲み過ぎて胃や肝臓を悪くする傾向があるからです
・空腹状態での飲酒は避け、必ずお腹に何か入れてから飲むことが大切です
・それも軽い果実酒のようなお酒をさらに水やハチミツで割り、できるだけ薄くして飲むことです
・果実酒やワインのようはピッタ向きのお酒で特にブドウはピッタを鎮める最高の働きがあります

>> ピッタ体質の人の特徴

 

<カパ優位な体質の人に向いている飲み方>
・カパ優位な体質の人は部屋を暖かくし、大麦や小麦でできたパンのようなものをつまみに
・もし肉を食べる場合は乾燥した場所日棲むヤギのような動物の肉黒コショウなどで味付けをし、それらと一緒に飲めばよいとされています
・カパの人の飲み方はお酒が中心でつまみは少々という人が多く、体力的には強いお酒にも耐えられます
・食欲の少ないときには少しのお酒を飲むことで食欲を増進できます
・しかしカパ体質の人は非常にお酒が強い人と、逆に弱い人とに分かれるようです
・アーユルヴェーダには、カパ体質の人は強い酒またはハチミツ酒を愛用すべきとなっています
ハチミツは、カパドーシャを最もよくコントロールする薬物とされています

>> カパ体質の人の特徴



人生全体を楽しむために

人生は過程の連続です

とは匠に教えられたことですが、

上記の理想のお酒の飲み方から考えてみても、
人生は何かを溜め込んだり発散したりの繰り返しなのではなく、
人生は全体を通して経験と歓びを見出すためにあり、その過程にあらゆる楽しみが、その一つとしてお酒の楽しみも時々ありね、ということなのかもしれません

飲まずにいられないという状態や
飲んだ後、たいして良い結果が得られていない場合は、もっと他に見つめ直す必要のあることが隠れているかもしれません。

原因と結果に気づき、
うまくいっていなければやり方を変える、

アーユルヴェーダはそんなことも教えてくれます

 

お酒の正しい飲み方・付き合い方、ぜひ今日の夜からでも実践してみてください


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アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i

 

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