アーユルヴェーダについて食と体、心とのつながりをお伝えしているとなんだか私がとてもストイックな人、そんな風にうつることことがあるようです。
私自身はそのようには思いません。
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「自然なこと」と「普通なこと」は違う、と恩師マイラはいいました。
例えば、
携帯を片手にお洒落なカフェテラスで
ハンバーガーを食べるのは
現代社会では「普通」かもしれませんが
それは「自然」な姿ではない。
新鮮な食物を調理し、
できたてを食べることのほうが
本来は「自然」で普通なのです。
いまの私はただ、「自然なほう」を選びたいとおもっています。
その方が身体も心も心地よくいられるからで、
それでもまだまだ自分のなかにやってくる「普通」があるのを知っているから、
自ら何かを選ぶときくらいは意識的になって「自然」にちかくありたいです。
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新鮮な食べ物を食べたほうが良いということは
イメージすればなんとなくわかると思います
賞味期限がとうに過ぎた食べ物や色があきらかに変色した食材を調理して食べようとは誰でもあまり思えないはずです。
それと同じで、新鮮な食べ物を食べると気分がよくなり、体のはたらきもスムーズになります。
それは内側のはたらきから生まれるもので、食べ物を消化する能力も整います。
新鮮で調理したての食べ物に、一番たくさんプラーナがあります。 なぜなら繊細なエネルギーであるプラーナは、調理された後にどんどん壊れていってしまうからです。 プラーナは次第に小さくなり、調理から1日経つとほとんどなくなってしまいます。 これがアーユルヴェーダが食べ残しを避ける理由です… 食べ残しは、もはや力を持っていた食べ物の影に過ぎないのです。参考文献:Hale Pule アーユルヴェーダの簡単お料理レシピ 「アーユルヴェーダ・フムス(と圧力鍋の使い方)」 |
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外食で使われる油や調味料が
どんなものなのか?
多くのレストランは、大量の食材を同時に調理していきます。
そこでは効率的な作業のために食材の作り置きや食物は前もってカットしておく、が当たり前です。
使われる調味料の多くはピッタを刺激するものです。
食材や調理法はカパを増やしてヴァ―タを上げるものも多いです。
はっきり言って、鮮度第一にお客さんの体のことを考えているお店はほんの一部しかありません。
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外食ばかりだと栄養が偏り、
太りやすくなるのはなぜか
外食では
「多くの人に美味しく食べていただくため」に調理をします。
ほとんどの人が外食する際に求めるのは
「美味しい」と感じる味 = はっきりした味です。
その方が疲れも飛ぶし、お酒とも合うのです。
多めに油を使い、
濃い目に塩を使い、
多めに味がつく調味料を使う、…
それと、強すぎる火や複雑すぎる調理、
または極端すぎる調理によって
サクサクやふわふわ、もっちりが作り出されていきます。
これらが私たちの「覚えやすい味」となり、
= 極端な美味しさ またをより求めるようにもなります。
ここでは個人の体質や体調に合わせたり
季節や気温に伴いバランスをもたらすようなレシピ構成よりも
「食べた!という満足感が優先」の食事が提供されているということ。
例えば、Lunch のビュッフェにサラダがたっぷりあったとしてもその野菜が必ずしも新鮮で、自分の体質や体調に合うものとは限りません。
とくにヴァ―タが高い人にとって生野菜は消化しやすいものではなくむしろさらなる乾燥、消化不良を起こすこともあります。
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難しいルールをたくさん覚えるより
大切にしたいこと
どんな食べ物がよくてどんな食べものがダメなのか、
そのようなルールよりもまず「新鮮かどうか」、このことにフォーカスしてみましょう。
脂っこいものが
なんとなく体に悪そうということは
誰でもイメージできるかと思いますが、
質のよくない油を使い、
高温で加熱した料理は
そもそも油が酸化しているので体内で毒になります。
そこに食塩や加工された調味料が加わればもう、
体にとっては大惨事ということがわかりますね。
「お腹を満たすだけの食事」よりも
「心、滋養までも満たす食事」について考えてみましょう。
私たちの思考は日々未来を追い、
過去を振り返るのに大忙しです。
あらゆる印象や記憶、
それと疲れや刺激が誤った、偏った食欲をかきたてることがあります。
例えば、重さや辛さを欲しているなら
ピッタやカパが乱れているかもしれません。
サクサクした揚げ物や
ふわふわのパンケーキ、
しょっぱい物を欲していたら
ヴァ―タを乱しているかもしれません。
Hale Pule で受けた
認定アーユルヴェーダシェフトレーニングで
ヨガとアーユルヴェーダの恩師マイラはこのようにいいました。
「 栄養学 」そんなものどうでもいいです。
まず人間が食べれること、
食べたことでドーシャが整うもの、
消化できるもの、この3つが大切です。
2つめに上げられた
「ドーシャを整える食べもの」については
こちらを見ていただくと参考になるかもしれません
>バランスをもたらす食事の黄金比
>果物の食べ方/消化不良を起こす食べ合わせのこと
>アーユルヴェーダの食事療法
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外食とどのように付き合うか
自分の体と心が分かって、
自分のための食事を作って食べられるようになると
外食時にもどのようなお店がそのようなものを提供してくれるかが感じ取れるようになります。
とくに自分の体と心が「いいね、ここ」と言えるお店を見つけるのはとても簡単かもしれないし、難しく感じることもあるかもしれません。
アグニがそこまで乱れていないのなら外食だってオプションとして楽しめるかもしれないし、そうではなくて今は自分のアグニをケアする時期、と決めているならばそれなりの場所に行くか、リクエストをすると良い場合もあります。
便秘や下痢、その他の消化不良の症状が少しでも感じられるのなら、食事メニューを見てそれを今の自分が消化できるかどうか、食べた後の自分を予想してみましょう。
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外食するならこんなお店
体と自分、相手のことを大切にしたいとき
何にしても自炊で出来たての食事が一番ですが、これだけでは現代社会においては「現実味」がないというお声もあると思うので外食をする機会があるときのためにいくつかのヒントを記載しました
1 調理工程が複雑すぎない、鮮度のある食材を提供してくれそうか 食材の仕入れ先や調理工程において、自信のあるお店はそれを打ち出しているはず、と匠から話されたことがありました。事実があるとき、お店側はそれらを明記できます。 食材の色が変色していたり、食物が雑に置かれていたとしたらそれらの鮮度は乏しいということが分かります。 調理工程については、切って、冷凍して、解凍して、加熱して、さらに電子レンジで、‥などとなったら食物そのものの栄養はどこへやら、となります。 外食ではこの点がほとんど完全にかなうことは難しいですが、強火と油を用いて創られる中華よりはシンプルな煮物などを扱う和食やさんの方が日本人の体には合っていることが分かると思います。 2 お店全体が清潔に保たれ、整理整頓されているか 3 作り手の顔が見えるかどうか、シェフがハッピーそうに調理しているか 4 お店全体の雰囲気がやさしく、安定した空間かどうか 5 自分の体質や体調に合いそうなメニューがあるかどうか |
家で食べるときと同じように、
食事前にはゆっくりと深呼吸をして気持ちをやわらかく。
落ち着いた気分で食事を楽しみましょう。
食事中のお喋りもほどほどに、これも消化を促進させる一つの工夫です。
話す内容はサットヴァなトピックスに留め、何か重要な話があれば別のときに話すようにします。
よく噛んで食べて、食後は充分に歩きます。
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「 ルールではなく、選択であるだけ 」
これまでの選択がよい結果をもたらしたか?
日々もう少し、ちょっとでもよい状態で体的にも心的にも快適に、至福とともに過ごしたいとき、
できることは小さなことから、簡単なことから取り入れてみましょう。
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i