その油はいかが? / 健康に良い油と悪い油

普段、食事からどれだけの滋養を受け取り、身体が養われているかを感じますか?

アーユルヴェーダでは
神聖な食事における3つの条件として以下を挙げています
・新鮮でサットヴァであること
・食べることでバランスが整うこと
・消化できること

ここで重要な役割を担っている要素のひとつに
「良質な油」があります

健康と幸福を科学するアーユルヴェーダでは、
5000年以上も昔からギーが常用されてきました

良い油を適切に、適量を摂ることは
私たちをより深い部分で満たし、整えてくれます

反対に、良くない油
酸化した油などの質の低い油は体の中でこびりつき、
消化の妨げや筋肉・関節等を硬直させてしまいます

私たちはアグニの状態が整っていると
総体的に「健康」で「幸福」に人生を過ごすことができ、
そのために良質な油分は必要不可欠といえます


現代社会に生きているだけで
“ヴァ―タ”にさらされている

アーユルヴェーダのシェフトレーニング時、
恩師マイラが教えてくれたことのひとつです

私たちは生きているだけで
ヴァ―タにさらされ、増悪しやすい環境にいる

だから生涯健康に生きたいのなら
ヴァ―タを味方につけなさい、と

ヴァ―タ
「動」「速」「冷」「風」などの性質をもつエネルギーのことです
現代社会において増え続けている
慢性的な不調や生活習慣病などは、
私たちの生活、食事、心の“在り方”が
バラバラにばっていることによって
陥っている状態ともいえます

現代社会では常に物事が忙しく、
スピード感があることが当たり前になっています

自分たちで生み出した流れによって、
自分たちがヴァ―タそのものになっていることが多く見られます

ヴァ―タは、
適度であれば素晴らしい働きを発揮します
(機敏さ、創造性、コミュニケーション能力)
反対に、過度になると私たちのエネルギーを消耗させます

多くの不調はヴァ―タの増悪によって始まる、
アーユルヴェーダではそのようにもいわれています

ヴァ―タが増悪すると起こること
・注意散漫
・知覚、思考力低下
・エネルギー、マインドの不安定
・心配事、緊張、不安感
・物事を最後までやり遂げられない
・しゃべりすぎる
・動き過ぎる
・便秘や下痢
・肌・髪の乾燥
・関節、筋肉の硬直 など


〇ヴァ―タで身体も心も乾ききらないために

ヴァ―タをケアするには「油」がとても重要です

ギーは身体の全組織、脳などにエネルギーとして
形成・燃焼されやすい性質があります

反対に、
質の低い油や調理によって酸化した油を
毎日のように体へ取り入れていると、
次第に体内で蓄積され、毒素として体にこびりつきます
消化不良によってマインドが曇り、
身体共に心地よい状態が続きにくくなります

よい油(ギー)を適切に、
適量を摂っていれば、
活動に必要なエネルギーを充分に養うことができ、
心的にも滋養をもたらすでしょう

ギーは、
消化をスムーズにするだけでなく
内臓や筋肉、関節をなめらかにして、
身体と脳の老化を防ぐのにも役立ちます

日々のヴァ―タをケアする、
そのためにギーは必要不可欠といえます


〇もっともバランスのとれた油「ギー」

ギーはすべての人にとって
どんなときも身体のバランスを整えてくれます
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ギーは、油の中でも唯一
「オーグメンティング」(=土台になる、造る性質)
「エクストラクティブ」(=浄化する、抽出される性質)
双方の性質からなっています

そのため、すべての人にとってすすめられる油です

1食あたり、大人で大さじ1~2前後がよいでしょう
ヴァ―タピッタは適量を、カパは少し少な目、を目安に)

*ココナッツオイルやオリーブオイルは
体質や天候などよって適切に用いることで効果を得ますが、
ギーは誰でもいつでも万能、と思って大丈夫です

ギーは最近、
お店でも売られるようになりましたが
アーユルヴェーダでは5000年以上も前から
各々の手づくりによってまかなわれていました

自らの手でつくることで
よりサットヴァなエネルギーがこめられますし、
新鮮なプラーナとともに体へ取り入れられておすすめです
DSC_1175.JPG

ギーを作るのに必要なものは
無塩バター濾すもの、3つだけです
とても簡単に作れます

-レシピ- ギーの作り方

バターを煮詰め、不純物をすべてとばしてつくられます
ギーは食べ物の栄養素とあわさり、
本来の素材そのものを壊すことなく
美味しく食べることができます

アーユルヴェーダでは
ギーにハーブを取り入れた“ハーブ入りギー”を用いて
不調や病を治療する緩和法などもあり、
ギーは神経系を穏やかにし、滋養を与えて
知覚や思考力の向上にもはたらきかけてくれます


〇「油は毒」の真意

そもそも一般的に“脂っこいものは毒”といわれるのは
大きく2つの理由があります
・そもそもよくない油であること
・調理(または保存)の過程で酸化していること

揚げ物やバーベキューなどの高温調理では
油が酸化しやすく、酸化した油は体にとって有害で
毒素を形成する原因になります

また、そもそも大量生産された質の低い油も
習慣的に摂り続けることで
墓の生活習慣などと合わさって不調の原因となることがあります

私たちは本来、シンプルで新鮮なものを
心から手放しに「美味しい」と感じれるようにできています


〇食事が万能薬になる

アーユルヴェーダの食事は
油・水・火のすべてを適度に用いて調理します

このような食事の仕上がりはみずみずしく、
どっしりとしたグラウディング感を身体に与えます

食事そのものは軽すぎず重すぎず、
食べてる最中に
落ちつき、安心感などを感じるようなものです
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アーユルヴェーダ料理の
スパイスとオイルの調合・調理法はこちら


アーユルヴェーダでは人間の存在を
ホリスティック(総体的)に見ています

一つに意識的でいることは
すべてにおいて意識的でいられるということです

体の健康と心の幸福感を増大させるため、
ぜひギーを手づくりし、日常的に取り入れてみてください

ギーを体験しながら覚えたい方はこちら
手軽にきちんとギーづくり

・ギーの作り方レクチャー
・できたてのギーを使ったアーユルヴェーダ料理づくり
・保存方法について
・ギーの効果、応用法のこと
‥ etc

少人数制のプライベートレッスンなので
細かい部分までていねいにお伝えしていきます


アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i

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