今日の自分はどのくらい元気でしょうか?
アーユルヴェーダの目的は「 治癒 」と「 予防 」が半分半分です。
今ある不調を緩和すること
消化力を向上させることで、
今後起こりうる不調や病をも未然に防ぐ。
さぁ、毎日元気に生きましょうというのがアーユルヴェーダの知恵です。
「 人生は歓びのためにある 」…
アーユルヴェーダが肉体的健やかさと精神的豊かさの大切さを説くのはそのためなのです。
私たちは毎日様々なことを「 創造して 」生きています。
暮らし方、食べるもの、仕事への取組み、子育て、様々な人間関係、
そして自分自身との結びつき、…
これらはすべて「自分の活力の有無」、
それに「 使う方向性 」が大切です。
力がなければ創造することはできません。
扱い方を知らなければいつまでも無意識のままです。
アーユルヴェーダは、
「 食べ物はどんなものよりも
体と心に直接作的に用する万能薬である 」といいます。
私たちは「 食べる行為 」から始まり、
それにより得た活力を物事の創造に費やすのです。
食べた物が「意味を成す」ために
アーユルヴェーダは「賢く」食事をしましょう、といいます。
今の自分に見合った、最善の食事を。
バランスをもたらす食事を摂ると、私たちは気分が良くなります。
気分が良いということは、身体の調子も優れ、活力が湧きます。
アーユルヴェーダではこのサイクル・組織形成の循環を “ ダートゥ ” と呼んでいて、食物は、順調にいけば口から始まり最終地点「生殖器」にたどり着き生命力を再生するわけです。
食べることで体全組織の巡りが良くなる、精神にもそれが作用する
これが「バランスをもたらす食事」です
>> 口にしたものが生殖器に成るまで…「ダートゥ」はこちらから
「アーユルヴェーダ料理」とは
では、どのような食事内容がバランスをもたらすのか、アーユルヴェーダの原理からみていきます。
*体質・体調に見合う食物を食べる
まず体のカラダ本来の個性を知ることが大切です。
どれだけ優れた食材であっても、
それを受け入れる体質や体調と合っていなければ、正常に消化されずに未消化になることがあります。
主に、ヴァータ優位体質(乾燥・冷え・便秘)の人であれば、
油分と水分を十分に含んだ調理法を活かした食事であったり、
ピッタ優位体質(汗っかき、筋肉質・軟便)の人であれば、
油分と水分をほどほどに含んだ調理で、熱さましのハーブや薬味、食材を取り入れたり
カパ優位体質(浮腫み・肥満・便秘)の人であれば、
油分と水分は控えめにした調理で、体に熱を与えるスパイスやハーブを取り入れると良いです。
この原理を活かせば、様々なシチュエーションに沿って食事内容を構成できます。
>> ヴァータ優位体質(乾燥・冷え・便秘)の人のための食事はこちら >> ピッタ優位体質(汗っかき、筋肉質・軟便)の人のための食事はこちら >> カパ優位体質(浮腫み・肥満・便秘・冷え)の人のための食事はこちら |
*消化力に見合う食事量を摂る
その時の体調、消化力を鑑みて食事量も適切に摂ることが大切です
消化力の弱い体に多量の食物を与えたり、消化力が旺盛なときに少量すぎるのは好ましくなく(活動量により)、消化と活力のサイクルを乱します
免疫機能が低下しているときは = 消化力も弱くなっています
疲れやすい、睡眠が浅い、気分の起伏が激しい、便秘や下痢を繰り返している、げっぷ・おならがよく出る …などは免疫機能が万全でないサインです
少量を食べてもなかなか消化しない、太りやすい、浮腫みやすいなどが生じているのもそうで、このような時はまず食事量を適量~少なめにするのがベターです
腹 6 – 8 分目を意識し、食事中にげっぷが発生したらそこで食事を終える
これを 2 – 3 日続けてみると体の感じ方もおおよそ変わります
*食事の献立・構成(6の味)を網羅する
毎日継続する食事は「バランス」が肝心です
アーユルヴェーダでは、昔から大切にしている普遍的な黄金比があります
成るものと出すものを6:4で摂る & 「6の味」を摂る
アーユルヴェーダは食物の性質を大きく2つに分けてみます
「オーグメンティング」…… 血肉を形成する、滋養を与える食物
「エクストラクティブ」…… 未消化物を浄化する、排出する食物
オーグメンティング食材で体の土台、安定した精神を創り、
エクストラクティブ食材で排泄、浄化、軽さを循環させます
オーグメンティング食材は、主に穀物(米、小麦)や根菜類(さつまいも、カボチャ)、海藻類、果物等です
エクストラクティブ食材は、主に豆類、ナッツ、緑野菜等です
これらをオーグメンティング6:エクストラクティブ4の割合で構成された食事が身体のバランスを整えます
肉体的かつ精神的なグラウディング(安定感)と、組織の循環・浄化(軽さ)のサイクルがちょうどよくなるということです
エクストラクティブが多すぎれば体は冷えて乾燥します
オーグメンティングが多すぎれば肥満の原因になるということがここから分かるでしょう
そして消化に必要な「6の味」
これが食事で適度に含まれていることも大切だとアーユルヴェーダはいいます
甘味・塩味・酸味・苦味・辛味・渋味
基本的に、
オーグメンティング食材は主に甘味
エクストラクティブ食材は主に苦味、辛味、渋味を含みます
酸味、塩味は、レモンやライム、味噌や醤油等がそうです
>> オーグメンティングとエクストラクティブの食材一覧はこちら
>> 6の味のそれぞれの食材と作用はこちら
*その他
その他、バランスをもたらす食事の共通項は
・出来立てで新鮮な料理であること
・作り手が愛情をこめて作った食事であること
・食べるときに穏やかな気持ちで食べていること
です
今日を自分らしく生きるために食べましょう
食事を通して自然とのつながりを回復させましょう
今日この瞬間からすべては万事順調であることを感じましょう
・
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
K a o r i