食事中に「していること」について

 

アーユルヴェーダやヨガでは、食べ物以上に「食べ方も重要」といいます

いいものを、いい時間に、いい調理法で、
いい環境で、いい姿勢で、いい気分で食べる

このことが揃ったとき、初めて体にとっての「滋養」が満たされます

なかなかハードル高い、と感じるかもしれませんが、
オージャス(活力素)をつくり、元気で健康に暮らすための源がここにあります

反対に、悲しみがあって泣いているときや
怒りがあって体が緊張しているとき、
これらの気持ちが落ち着くまでは食事をしてはいけません(作ってもいけない)


「食事中にしていること」が大切 

皆さんは食事中、何を想い、何をしているでしょうか

匠マイラは、食事中とその後の姿勢について
「プラーナと愛に溢れるシンプルな食事があれば、
たった今この瞬間世界は万事順調なのだということが見えやすいのです

食べている間、そして食後のあなたの態度も
食べ物自体と同じくらいに大切です」 

と教えてくれました

 

私自身、幼少期の食卓を思い返すとそこにはいつも大量の食べ物とTVがセットになっていました

晩酌する父に合わせて、家族の食事時間はとても長いものだったと記憶しています
ですが私は大半をTV鑑賞に費やしていました
ながら食べ、だらだら食べが当たり前で、家族間の会話というよりは、TVとの会話でその場が成り立っていたような感じです

子どもは、親がどうであるかで食べ方や暮らしの土台が決定づけられます

当然、その後も私は“ながら食べ”が普通で、
TVこそ見なくなっても、携帯を操作しながらの食事はほとんど無意識で習慣化していました

 

2016年に訪れたハワイカウアイ島へのヨガ留学では
初めて「食事だけ」に集中するという経験を味わいました

匠から「食事は神聖な行為」と教えられました

生きるための大事なことが“ここ”にあるんだと、
生まれて初めて食事の尊さを真面目に意識した瞬間でした

・食物がどこで育てられたか
・誰がどんなふうにして収穫しここまでやってきたか
・今日のシェフはどんな想いで調理してくれたか

・・・と、それ以降そんなことを考え、想うようになりました

このことが次第にクセとなり、
食事そのものへの意識、態度が徐々に変わっていきました

 

 

匠は、食事中スマートフォンを操作したり
過度なお喋りに耽ることはアグニを燃やし尽くすといいました

今、身体がしていることに反して
別のことへ意識が向いているということは、

「今していることを直に認識していない」ことになります

・ここにいるのに、居ない
・しているのに、していない

この分離した姿勢が、食事にとどまらず、すべてに関連していくと考えると実に興味深いですよね

・目の前にいる人と対話しているはずなのに、
 意識はどこかの違うところにある

・今していることがまだ途中であるのに、
 もう別の、他の何かを追いかけだす、…


ドーシャは“受容”し整える

ひとつのことが完了する前に
あれもこれもしたくなるのは、

ヴァ―タドーシャが増え過ぎているときに起こります

それは、身体のエネルギーの一部が乱れを経験しているということ

ヴァ―タは本来、動き、創造、思考を生み出す力ですが、
増えすぎると同時にいくつものことをしたがって、落ち着きがなくなります

ドーシャの中でも最も軽い性質であるヴァ―タが、
一か所にじっと留まるのを耐え難く感じるのです

ヴァ―タドーシャは、きちんとケアされていれば
しなやかさを伴い素晴らしい動きを発揮します
ヴァータのバランスのためには、日頃から意識して整えることです

・自己承認をする
・ペースを落とす
・一度にひとつのことをする
・恐れを手放し楽しむ
などによってヴァータは調和に向かいます


食事から得るものが
“あなた自身”に成る

以前 匠が、食事との結びつきについてこのように云っていました

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メールチェックをしながら
お昼が食べたくなったら、

それとも
テレビを見ながら夕ご飯が食べたくなったら、
その前にいったん落ち着いて、
何回かゆっくりと深呼吸をしましょう。

息を吸いながら、
天との結びつきそのもである
pranaプラーナ(生命力)を
自分の内に招き入れます。

私たちは
呼吸でプラーナを取り入れますが、
それ以外にも、
植物が自然からプラーナを受け取り、
それを栄養へと変容させます。

それが食べ物となり、
私たちがプラーナを受け取ります。

だから体を動かしたり
頭を働かせたりすることができる。
生きるという素晴らしい経験ができるのは、
私たちの口にする
食べ物のおかげなのです。


カロリーやビタミン、
ミネラルのことばかりではなく、
プラーナを思いながら食事をする。

そうすると、
食べることで
あなたの心と体と魂のすべて
を癒すことができます。


これがわかれば、
きっともう食事中に
パソコンやリモコンには触りたくならないはず。

むしろ心の底から食べ物を楽しめる場所で、
ホームメイドのものを
しっかりと食べたくなるでしょう。

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“姿勢”が消化を司る

食事時の姿勢もとても大切です

たいてい無意識であったり食物に負の印象があると、人は背中を丸く、小さくなった状態で食事をとることが多いようです

背中が丸まった状態で食事をするということは、内臓が中で押しつぶされた状態のまま食物を入れているということになります

背筋をまっすぐに、食物を寛容な態度で迎え入れることが大切です

背中と心、やわらかくしましょう

繊細なアプローチですが、こうした意識づけはとても重要です

 

こうしたことに気づけたのも、幼少期のテレビ漬け、ながら食べの経験があったからです^^;

母の手料理はとても美味しかったけれど、テレビを観ながら食べていることで心には常にラジャスが増大し、毎度満腹を超えるまで平気で食べていたと記憶しています


アーユルヴェーダお料理教室では、皆さまの直接的な経験に意識を払っています

ごくシンプルな空間でいくつかのやさしい料理をつくり、落ち着いた気持ちで座って和やかに食事を楽しんでいただきます

「こんなに食事に集中したの生まれて初めてかも!」というお声もよく聞かれますが、そこから得る気づきはとても大きいのです…!

 

自分の身体に光をもたらしたい人、
何だか新しい感覚を知りたい人、ぜひプラクティスへお越しください

>>A y u r v e d a お料理教室


いつも愛をここに

“自分を知ることによる幸せ”
ヨガとアーユルヴェーダと食事
全米ヨガアライアンス認定 ヨガ指導者
Hale Pule認定 アーユルヴェーダシェフ
kaori

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