【 最新版 】アーユルヴェーダ的お酒の話

アルコール依存症予備軍だった私から、
改めてお酒についてのお話をします。



人生には必ず
「終わり」がある

私たちの人生は
無限に生死を繰り返し
この世に存在し続けますが、

その人のその体 – 心での人生、
「あなた」「わたし」 という時間には必ず終わりがきます。

アーユルヴェーダが
“ 体は天からのギフト ” としているのは、
その方が、
体と心の繋がりの大切さがわかって
今の人生をより有意義に楽しめるでしょう?

と寛容的な提案をしてくれているのだと思います。

今ある人生を
「楽しく、気持ちよく、生産的に、幸福に」過ごすか
「苦しく、痛みを伴い、複雑に」過ごすかは

すべて体と心の扱い方次第だということです。



全員が参加者であるということ

起きること、眠ること、
関係性を営むこと、家庭を築くこと、

仕事をすること、娯楽を楽しむこと、
愛を注ぐこと、
愛し合うこと、平和を築くこと、…

これらは地球上にいる全員が参加しています。

上記のどれにも関わっていないという人はいないでしょう。

今や、日常において交流の場や
一日の自分のご褒美にといって
当然のように「お酒」というツールがあります。

それらとの付き合い方について、
アーユルヴェーダが言及する教えと自身の経験も交えて、…

「人生の終わり方」に直結するその話を
今一度ここへ掘り下げていこうと思います。



私たちの関心ごとに
真意がある

ここ Ananda ではシンプルなアーユルヴェーダレシピを実践するお料理教室のほか、アーユルヴェーダの基礎理念を紐解く35 時間の基礎講座を現在開催していますが、私はこれらに寄せられるご興味や関心ごとに関連しているのが「人間関係」や「娯楽について」だと感じています。

私たちは、
人間関係を形成する際の感情や経験、

食べることやその他の娯楽に振り回されがちかも…

と感じる経緯があったからこそ
体と心を整えていきたい、と思うものです。

先日のアンケート
「どちらのコンテンツに興味がありますか」では
【お酒】と【恋愛】で
わずかに【恋愛】が上回り、先にそちらを掲載させていただきました。

「大切な人と別れることになったらどうしますか」
「結婚して 5 年、多忙な旦那と子供が欲しい私 」
愛することは、生きること
50 年先も一緒に笑っていたい

— — — —

今回は「 お酒 」に関する記事になります

これまでの投稿記事も是非ご覧ください

【お酒を飲むなら】アーユルヴェーダの教えによる「お酒の飲み方、お酒とのつきあい方」
お酒を飲まなくなって 1 年
Hale Puleゲストブログ「お酒の経験と私の暮らし」掲載のお知らせ



アーユルヴェーダ的にはお酒はどうか

今からお話することはお酒だけでなく
“その他の娯楽” においても通ずるお話です。

どんな娯楽も趣味も、
自分の心身のバランスが乱れるような付き合い方はしてはならないということです。

アーユルヴェーダによれば、
【お酒は 幸福な人が適量を嗜めばより幸福に】
【お酒は 不幸な人が加減を知らず飲めばより不幸に】なるとしています。

気分の良きときに、
良きシチュエーションで飲むことで
穏やかなリラックス状態によって幸福感が増すが、

気分が荒立っているときに、
空気のこもった – 乱雑としている環境下で飲むことは
身体の健康を害し、マインドを鈍らせるということ。

お酒を飲むことで自分がどうなっているかを
客観的に見るのが大切です。

客観的に見れないということは、
マインドが鈍っていることになります。

体質に応じたお酒との付き合い方
アーユルヴェーダの智慧で推奨される体質別 – お酒の飲み方について

アーユルヴェーダでは、「お酒のこと」をひとくくりには考えません。

飲んで良い人とその飲み方、
飲んではいけない人とそのシチュエーションについても詳細が説かれています

[ ヴァ―タ優位体質の人 ]

一般的に華奢な体型をしていて体が薄く軽い人、冷えやすい人がヴァ―タ優位な体質の人です・お酒を飲む前に、軽い運動 – オイルマッサージ行う
・マッサージ後、シャワーを浴びたら白檀のような甘い香りのする香水をつける
・お香の漂う部屋で、油性分が多く温かい料理を食べながら飲むのが良い
・お酒はヴァータ優位な人の乾燥性を高めるので、空腹状態では絶対に飲まないこと
・あまりアルコール度の高くないお酒や果実酒を、おつまみを食べながら飲むと悪酔いしない
・ヴァ―タ優位な人が酔うと、過剰なおしゃべりや無駄な動きが増える
・ヴァ―タ優位な人が酔うと、抱えている不安や恐怖心が大きくなる、悪化する

>> ヴァ―タ体質の人の特徴


– 適切とされるお酒の種類 –
・シードル
林檎を発酵させて造られた甘酸っぱい味のするお酒
ほのかな甘さがあるお酒、フレッシュなお酒はヴァ―タに適切

・日本酒
日本米の甘さ、旨味を含む日本酒もヴァ―タに適切
熱燗で飲み、身体を冷やさぬようにすること

・ホットラム
温めたラムを少量、ここへギーを少量たらすのもヴァ―タに適切

[ピッタ優位体質の人]

一般的に中肉中背でオイリー肌またはニキビができやすい肌質の人、汗っかきな人がピッタ優位な体質の人です・ピッタ優位な人は飲まない方がいい
・もし飲む場合には涼しい場所で
(暑いときには冷房のよく効いた部屋で)
・常温 – ~ひんやりとした食物や甘味のあるもの、あるいは油成分のある料理を食べながら
・飲むならごく少量のお酒を楽しみ、決してお酒にのまれてはいけない
・ピッタ体質の人はたいがい酒好きでしかも酒に強いため、
ついつい飲み過ぎて胃や肝臓を悪くする傾向がある
・空腹状態での飲酒は避け、必ずお腹に何か入れてから飲むことが大切
・軽い果実酒のようなお酒をメインに、さらに水やハチミツで割りできるだけ薄くして飲むこと
・果実酒やワインのようはピッタ向きのお酒で特にブドウはピッタを鎮める最高の働きがある
・ピッタ優位な人が酔うと、怒りが噴火し批判的、攻撃的になる
・ピッタ優位な人が酔うと、体が火照り発汗する

>> ピッタ体質の人の特徴


– 適切とされるお酒の種類 –
苦味・冷の作用のあるお酒を少量

[ カパ優位体質の人 ]

一般的に大柄で骨組みがしっかりとしている人、浮腫みや肥満が生じやすい人がカパ優位な体質の人です・カパ優位な体質の人は部屋を暖かくすること
・大麦や小麦でできた軽いパンのようなものをつまみに
・もし肉を食べる場合は乾燥した場所に棲む
ヤギのような動物の肉を黒コショウなどで味付けをし、それらと一緒に飲む
・カパの人の飲み方はお酒が中心でつまみは少々という人が多く、
体力的には強いお酒にも耐えられる傾向にある
・カパの人は食欲の少ない際、少しのお酒を飲むことで食欲を増進する作用もある
・カパ体質の人は非常にお酒が強い人と、逆に弱い人とに分かれる
・カパ体質の人は強い酒またはハチミツ酒を愛用すべきともいわれている
・ハチミツはカパドーシャを最もよくコントロールする薬物とされている
・カパ優位な人が酔うと、目がとろんとして眠くなる
・カパ優位な人が酔うと、体が重くなり疲労感が増大する

>> カパ体質の人の特徴


– 適切とされるお酒の種類 –
・ワイン
渋味、辛味を含む赤ワイン等がカパには適切

・ジンジャーサワー
辛味・苦味・渋味をもつ生のジンジャーはカパに適切
ソーダ割で、少量の生はちみつを加えるのも良い



お酒を飲んでいいのは

“ のまれない人 ”

上記からも分かるように、
お酒を飲んで良いのは
決してそれらにのまれることがない、健やかでハッピーな
人です。

昔の先人 (賢者) たちは
お酒を嗜むように飲むことでひらめきを得て、
社会を発展させる力へ活かしたといわれています。

普段から慧のある人、
明晰さが養われている人が

少量かつ良いシチュエーションでお酒を飲むことで
良い影響をもたらすことが分かります。

“のまれてしまう人” は
お酒による好転反応ではく

お酒を乱用していることになるので、
それは誤った副作用をうみます。

お酒の飲み方
お酒を飲むシチュエーション、飲むための準備については以下です

・その日やるべき仕事を全て済ませた後に飲む
・飲む前にはぬるめ、または冷たいシャワーを浴びる
・体には白檀や薔薇の香料を塗る
・仕事で着ていた服とは別のできるだけ魅力的な清潔な服を身につける
・ジャスミンの花を髪か胸元につける
・自然の風が入る、風通しの良い場所で飲む
・美しく、くつろげる空間でお酒を飲む
・完璧に装飾され、程よい音楽や香料で満たされた部屋で飲む
・女性を含む友人同士で飲酒するのが良い(男性だけでは飲まない)
・一日に飲む量は 25cc~、弱い酒の場合で 600 CC弱まで
・飲酒に適しているのはヴァータカパ優位体質の人で、ピッタ優位の人は飲酒は控える
・精神が激怒しやすい人、落ち込みやすい人、悲漢に暮れている人も飲酒は控える
・暑い季節や国では飲酒は控える


アーユルヴェーダでは:25cc
「健康日本21」による基準では:20g (≒20cc)

※日本においては、厚生労働省が
「節度ある適度な飲酒」を提案
20gとは大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」
「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当


「お酒は自分にとって何か」を考える

お酒を飲む理由は何でしょう?

お酒を飲んでいる自分の状態を
後から客観的にみたとき、

それは「飲んでも良い人」の状態だったでしょうか?

お酒をやめたいと思いつつも、
嫌悪感を引きずりながらも
半分やけになって飲み続けているとしたら、

人生での問題、
真に取り組むべきことから自分を遠ざけているかもしれません。

私自身、お酒を飲まなくなって
初めて分かることですが、

本当に至福な気持ちとともに
穏やかにお酒を飲める人というのは実際とても少ないと思います。

また「飲みたい」という動機に関しても、
あまりポジティブでないものが多いかもしれません。

私たちは普段、
様々な局面から緊張状態にあったり

本心をさらけ出せないからと
付き合いの場でお酒を活用することがあります。

けれど本当に “ 力 ” をつけるなら
それらのツールなしにも
自分がグラウディングできていたり、
相手と向き合えるようであることが大切です。

・お酒の場が楽しい
・飲むキャラとして期待されている
・リラックスできるし楽しいから
そのような理由から、
“ 何となく ” 飲みの機会から
完全には遠のいていないという場合もあるかもしれません。

が、
昼間にお酒なしにも
本音で向き合える関係が健全で長持ちします。

お酒なしにも楽しい話、
真剣な話をできる人同士が、

その後もお互いに成長し合えます。

お酒なしにも幸せを感じれる人、
お酒なしにも歓びを見出せる人が
人生の幸福を知っている人です。

お酒の力を借りて、
その場でだけ大きくなるような人は
それだけ普段は “ 抑圧 ” されていて、
自分をコントロールできていなくて、
まだまだ向き合う課題が他にあるということになります。
(以前の私のように)



お酒を飲む前にすべきことがある

私は20歳の頃にアルコール依存症予備軍でした。

後から分かったのは
私は「飲んではいけない人」だったということ。

一時期、毎日のように飲み続けて
半年間で体重は 8 kg 増量し、
翌年には深刻な肌荒れが発症しました。
ヘルペスや耳鳴り等、不眠など、慢性的な不調が重なりました。

その時ようやく少し冷静になって分かったのは、
私がお酒を飲んでいた理由は「逃避」のためでした。

当時はそんなことにも気づかないほど
とにかく「現実逃避」がしたくてしょうがありませんでした。


アーユルヴェーダやヨガの学びから
食事、暮らしとの関係性を見つめ直して
お酒が要らなくなった今、

自分が「お酒を飲んではいけない人」だったのは
= 本当のところ
「お酒がなくても大丈夫な人」だからだと理解できています。

ピッタが優位な人が
お酒を避けるべきと云われているのは、

その人自身の体内 – マインドにおいて
「熱」がそもそも多いからということで。

ピッタ優位な人はバランスがとれていると
物事の理解力や判断力に長けていて
重要な事とそうでないことの見極めも早いです。

故、ピッタがポジティブな状態に留まると
・小さな幸せを見つけやすい
・ユーモアがあって物事を面白おかしく変換できる
・自己満足で小さな達成感を積み重ねることができる
・基本的にモチベーションが高く放っておいても大丈夫
になります

なので、ピッタの人はむしろ
「お酒がない」方が良い状態をキープできるということ。

というアーユルヴェーダからの学びから – 私の自己解釈です。


“ シラフで生きる力を身につける ”

お酒を飲める人になるか
お酒が要らない人になるかは、
“自分の体質と個性と人生との相談” から決めると良いと思います。

より自分らしさを帯びて生きやすくなるか、
自分らしさを放棄して
痛みを伴いながら生きていくか

私たちには
自分の “人生の終わり方” を選択することができます。

アルコール依存症予備軍だった私からは
ノンアルコールな人生を心してお勧めします。

お酒を抜くことでかなうのは
体だけでなく、心からの浄化です。

そして簡単に “ 発散 ” する代わりに
“ 経験する強さ ” を養えることでしょうか。



生きるほどにラクになる

アーユルヴェーダの基礎理念を学ぶ講座
* Ayurveda Holistic 基礎講座

「暮らしに活きるアーユルヴェーダ」について、アーユルヴェーダ基礎理念を一から学んでいただけます。
・アーユルヴェーダ初心者様・料理が得意ではない方・自分の体に合った食事や暮らしを学んでいきたいという方へ特におすすめです。


アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i

あわせてご覧ください

  1. 健康のためにやめた「 健康法 」

  2. – レシピ – 朝食やおやつに / …

  3. 食べたもので精神はつくられる【 後半 】

  4. 「 おやつが食べたいとき 」をアーユルヴェーダ的に考える

  5. <ヴァータ>冷えや乾燥、腹部の張りを慢性的に感じる人のための…

  6. 自分に目覚める

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