[ 子どものためのアーユルヴェーダ ] 0 ~ 13 歳で健康な組織の土台を育む

5000 年以上も昔から伝えられてきたアーユルヴェーダは、生命の幸福を思う心から芽生えた愛の科学です

快適で痛みのない肉体的健やかさと、
心の幸福感のためには何が大切なのか。

アーユルヴェーダには、
人間である限りどの側面からでも取り入れられる包括的な智慧があります。



健やかさの土台を育む
子どものための食事と生活
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生まれたばかりの子どもの肉体的 ― 心的な成長を支える「食事と生活」について、アーユルヴェーダの原則をもとにお話します。

ここでは、ヨガとアーユルヴェーダの匠マイラより、プラクティス中に伺った “ 子どものための食事 ” での話をベースにしています。

― 前提として ―

子どもの全組織と器官は誕生した瞬間ゼロ状態に始まり、徐々に創り上げられていく
理想は 8 歳頃で安定した消化機能、免疫機能等、組織全体が出来上がることです
アグニ(消化力)の形成に伴い、食べ物は純質なもの( 加工されていない )を中心にこちら側も幸せな気持ちをもって与えることが肝心です

0 ~ 1 歳
身体も心もすべてがお母さんとリンクしている時期

この頃はお母さんのドーシャバランスが良ければ母乳がベストです

健康なお母さんの母乳には IgA が豊富に含まれ、これが赤ちゃんの免疫力を高めるのに必要とされます

お母さんのドーシャバランスが乱れていると、それが母乳に現れて赤ちゃんは母乳をぺっと吐き出します

 ▪ ヴァ―タ過剰時の母乳の味
>> 苦味の強い母乳が出ます

 ▪ ピッタ過剰時の母乳の味
>> 酸味の強い母乳が出ます

 ▪ カパ過剰時の母乳の味
>> 粘液が口の中で絡まる母乳が出ます

お母さんのヴァ―タが増悪していると、母乳が出にくく満足に授乳ができないことがあります

母乳が出ない場合にはノンホモのミルク ( ベストはヤギのミルク ) を加熱して飲ませると良いそうです

アーユルヴェーダでは、母乳は 1 歳半 ~ 最長 2 歳くらいまで母乳が続いてもよいとしています

この時期に赤ちゃんに何かしらの不調があれば、お母さんに対しての改善や治療が前提になります
生まれたての赤ちゃんにはアグニがなく、お母さんのドーシャの状態をダイレクトに受けているためです

【 1 ~ 1 歳半 
>> まだまだ組織形成の〝 土台 〟が肝心
>> 白米だけで充分な時期

食事の変化を与える目安
1・赤ちゃんがいつもハッピーで笑っている
2・毎日うんちがきちんと出ていること

アグニを育て始めるには、シンプルで純質な、滋養の高い食事をさせるのが大切です

白米を「 少しのギー 」「 ひとつまみの岩塩 」と炊いてブレンダーで砕いたもの
これを離乳食としてあげてみます

ギーは赤ちゃんの知覚を高めてくれます

1 歳半 ~ ではここへ「 少しのすりおろした生姜 」を加えてみます

その他はまだ何も食べさせません

生後 1 歳頃からは、赤ちゃんへのオイルマッサージもすすめられます
アヴィヤンガマッサージは臓器を包む皮膚を強くし、病気を予防します
赤ちゃんのマインドの安定も与えます

【 1 歳半 ~ 2 歳

>> 食物のバリエーションを増やし始める
>> 少しのオーグメンティング食材を与え始める時期

これまでの食事内容に +「 少しのオーグメンティング食材 」( 芋や南瓜 ) と「 少しのクミンパウダーを加えてみます
この時期からスパイスを与えるということになりますが、トリドーシャ( すべての体質に適した )なスパイスであるクミンを加えて調理します。( ギー、岩塩、生姜、クミン )調理の際は水分を調整し食べやすいゆるさにしましょう

[オーグメンティングの食材リスト一覧]

【 2 歳 ~ 

>> 少しのエクストラクティブ食材を与え始める時期

これまでの食事内容にエクストラクティブの食材 ( ほうれん草や小松菜等の緑野菜系 ) を全体の 5 %ほど加えてみます
その後段々と割合を増やして 5 歳までの間で最終的に
「 オーグメンティングとエクストラクティブ 」を6:4の構成比にしていきます

[エクストラクティブの食材リスト一覧]

果物について
果物は 8 歳頃まで不要です
果物はこの時期の子どもの体にとって脳や組織の滋養にならず、成長を促進しないため不要とされています

【 3 歳 ~
>> そのままの食事続けつつ、ヨガを取り入れる時期

2 歳~の食事をそのまま続けます

3 ~ 4 歳で肉体的にも精神的にも現在の環境に適応して慣れてきます

子どものが食物を欲しがらないとき、好き嫌いが出ているときは何かしらドーシャが乱れている可能性があります
どのドーシャが乱れているかによって対処法が変わってきます

この時期からはヨガアサナを取り入れるのも良いです
簡単なアサナ、動物のポーズをまねるなどの動きは赤ちゃんの創造性を飛躍的に向上させます

この時期から両親とともに早寝早起きを身につけさせます

【 5 ~ 6 歳
>> 大人と同じ食事をし始める時期

お母さんの食事・身体の状態が整っていたら、この時期からお母さんと同じものを食べさせます

今日から始める「アグニを整える」こと
「食べ物がなにであるか」より
なぜ体によい食べ物を食べるのか/外食とのつきあい方

食事の間隔を十分に保ちながらおやつも与えます
ながら食べ、だらだら食べはさせず、決まった時間に食べさせます

サットヴァなおやつ

生姜の前菜なども取り入れて良い時期です

この時点ではまだアグニは完成していません

【 8 歳
>> 土台の安定を続けさせる時期

これまでの食事を続けます
生姜の前菜やジンジャーティ、おやつは自然の甘味のものを習慣化させます

この頃でおおよそアグニ(消化力・免疫力)が整い、安定していることが理想です

※最近の子供はこの時点ですでにアグニが乱れていることが多いといわれています
( ニキビなどの肌荒れ、注意散漫、肥満など )

【 12 ~ 13 歳
>> 土台の安定を続ける、本人の意思でやらせる

食事の豊かさ ― 食べることの楽しさや美味しく味わうことの大切さ ― を実感し続けてきた成果が出るころでしょう

食事の間隔を十分に保ちながらおやつも引き続き食べることがあるでしょう

何より親自身が食事と健康の土台を体現し、そのうえで環境を提供できるようでありましょう
* できてたの食事、ナチュラルな食事
食事のバランスをそのものをシンプルにする
* おやつの質や鮮度を意識する

できるだけ長い間を良い状態で過ごせるよう、日常の食事や生活にてケアを続けます

この時期で組織の土台が整っていると、外でのジャンクフードやその他タマスな食べ物を経験することがあっても「 自分は何をたべたいか? 」を子どもは自分で感じて考えれるようになります

また、この時期は両親からのエネルギーも敏感に受けます
両親の言ってることとやってることが違うと、子どもは「やだ、それやりたくない」と言い出します



子どもに教えられること
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子どもの育て方に対して、アーユルヴェーダでは
「 3 歳までは神のように、16 歳までは召使いのように 」
という教えがあります。

そして 16 歳からは対等に、
大人として接するのが互いの建設的な関係にも良いのだと。

上記に述べたような食事・生活を子どもへ伝えるには、
最も近い存在であるお母さん自身の姿勢・態度( 健康度合い )が前提になってきます。

お母さんから
「 あなたは今成長期にあって、体と心が準備を整えているの 」

「 あなたのアグニは今、ゼロからつくられていて、
これらの食べ物から必要な栄養をもらっているの 」

などといった 真の導きが肝心になる。

子どもはそのような心からの教えを頭ではなく “ 魂 ” できちんと聞くのだそうです。

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子どもは親に導いてほしいもの

親は子どもの決定権を持っています( 特に最初のうち )
子どもがやりたいことは何でもさせる、そういうことはしない(!)
それには親が身をもって示せるようであること

恩師マイラはそのように教えてくれました。

続けて、

一番難しいのは、育ってから変化することです

とも。


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アーユルヴェーダお料理教室を開催しています

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いつも愛をここに

“自分を知ることによる幸せ”
ヨガとアーユルヴェーダと食事
全米ヨガアライアンス認定 ヨガ指導者
Hale Pule 認定アーユルヴェーダシェフ
Kaori

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