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食べる本人の状態(身体・心)× 食べ物・食べ方 = 結果
逆説的に展開することもありますが、主に上記のプロセスから私たちは現状の「形」に成っています。
食べ物だけでなく食べ方、がとても大切、とアーユルヴェーダでは説かれていて、食べ方や食べる人の状態が良ければ「必要は食物は 5 つだけ」ともいわれているほどです。
果物の役割
まず、アーユルヴェーダでは「果物」のほとんどは「サットヴァ」な食物とされています。
が、それ自体に滋養(脳や組織を創る栄養素)はほとんどなく、あるのは水分と天然の甘味が主だとされ、子どもは 8 歳頃までは果物を食べなくてよいといわれています。
果物は、身体の熱をとり、サットヴァな水分補給として大人が好きで楽しむもの、のようです。
そして見落としてはならないのが「消化にかかる工程」です。
果物の消化はとても早く、それ自体に多くの酵素が含まれていることからあっという間に消化管を通り抜けます。
甘味の強い果物ほど適量にとどめ、食べ過ぎることは注意が必要になります。
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果物の作用と消化
2つの観点から果物のこととその食べ方について考えてみましょう。
果物の作用について
果物には多くのビタミンや食物繊維が含まれているといわれています。
アーユルヴェーダ的にみても「ほとんどの果物がサットヴァ」で「水分」と「天然の甘味」が主であることからそのような解釈もできます。
果物のほとんどは「酸味」と「甘味」があり、「酸味」は主に「熱」を生じさせます。
適度であれば身体をフレッシュに、滋養をもたらしますが、大量に摂ると「ピッタを増悪」させます
「甘味」は主に「冷」で、適度であれば身体を鎮静させますが、摂り過ぎると身体を冷やし水分を溜め込みます。
・多すぎる酸味はピッタを増やし体の熱性を高める ・多すぎる甘味はカパを増やし体の冷性を高める ・血液に上記と水分が多く取り込まれることで血液中のピッタが増大し、体液のカパが生じる ・旬の果物はおやつや朝食として楽しむと良い ・ギーやシナモン、カルダモン等と少し熱を通してから食べることで消化にやさしくなる |
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果物の消化について
果物は、あらゆる食べ物のなかでも最も消化の早い部類にあります。
なかでもメロンやスイカは特に早く、これらを食べるときにはそれ単体で摂ることが薦められています。
消化が著しく早い果物と、その他の食物 – 穀物や野菜を一緒にして食べるとなると「しょうかにかかる時間」が違うために消化プロセスが乱れます。
果物は先に消化器官を通り抜けますが。穀物や他の野菜はその前工程で留まり取り残されます。
消化機能は果物を基準として消化が進んでいくのでその他の食物は小腸で留まり発酵し始めるのだそうです。
・果物は単体で食べる 朝食として、またはおやつとして 特にメロン・スイカは単体で食べる・果物同士でも味や性質に違いがあり、相反するもの同士の混食は控えると良い ・一度に摂る果物は 1 ~ 多くても 4 種。 |
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果物の味
酸味がメインの果物 いちご、キウイ、オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、さくらんぼなど |
やや酸味がメインの果物 りんご、桃、梨、マンゴー、アプリコット、パパイヤ、ブラックベリーなど |
甘味がメインの果物 バナナ(渋味も含む)、柿(渋味も含む)、ぶどう、イチジク、プルーン、レーズンなど |
ウリ科のグループ メロン、スイカ |
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果物の食べ方
物が “ 自然 ” に消化されるためのいくつかのポイントについて記載します
朝食に果物を
・旬の果物を、熟れた果物を 1 ~ 多くて4 種、朝食に食べます
・火を通せるものは軽く加熱して食べるとより消化にもやさしくなります
バナナや柿、梨などはスパイスやギーとともにほんの2,3分火通して食べるのも美味しいです
おやつに果物
・3時のおやつに果物、それも良い選択です
昼食が 12 前後、夕食が 18 時前後であればこのタイミングで空腹感もあるでしょうから、ここで少々の間食に果物を楽しむのもよいです
いずれも食べすぎを避けて果物 1 ~ 2 切れがちょうどよいです
・消化力が弱いと感じるときや腹部にガス感があるときはおやつは控えるのがベターです
– 消化にかかる時間の目安 -(個人差あります)
肉・魚 … 4 – 5 時間 穀 物 … 2 – 3 時間 野 菜 … 1 – 2 時間 果 物 ‥ 30 分 ~ 1 時間前後加工肉食品 …10 ~ 12 時間 (ベーコンやソーセージ) |
また、体質やアグニの状態にもよりますが 消化 ~ 排泄は計 40 時間前後かかるといわれています。
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果物 × ◯◯ の食べ合わせ
現代では当たり前に見る
果物と◯◯の組み合わせについてですが、
それらのほとんどが
「消化を重視した」ためでなく
「見た目を重視した」結果であることが多いのが事実です。
以前は、私もパンケーキ×果物の組み合わせがお気に入りでした。
これだけじゃないけれど、確かにいつも口内炎や肌荒れが起きやすい体質でした。
ヨーグルト × 果物なんかも、ピッタやカパを増大させる食べ合わせの一つだそうです。
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
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