・
アーユルヴェーダを紐解くと、今の気分や体調が「これまでの選択の結果」であることを理解できます。
良い悪いにかかわらずどのような行為にも必ず結果が伴うということで、
例えば食後に急激な眠気や、重く鈍い眠気があるという場合それらは「本来の自然な状態」ではないことを表しています。
・
食後の急激な眠気
通常、食後は消化管が作用するのに伴い脳の働きが低下することで緩やかな眠気を感じることがあります。
しかしながら食後 30 分 ~ 1 時間後、急激な眠気、重く落ちていくような眠気がある場合は「消化がうまくいっていません」という体からのサインです。
・
食後の眠気の原因
食後の眠気、特に急激な重い眠気は「今の健康状態」と「食事内容」の2つから原因が考えられます。
* 今の健康状態 ・アグニ(消化力・代謝能力)が弱い状態にある ・アーマ(未消化物)が蓄積している可能性がある 体の消化リズム、消化力自体に不調がある状態です * 食事内容 食事そのものが消化に負荷をかけているパターンです |
普段の食事や生活習慣などから体が慢性的に機能不全になっていると、いざ食べ物が体に入ってきたときに十分な処理ができなくなります
これが、毎食後にやってくる急な眠気・重い眠気の根本理由です
・満腹を超えるまで食べる
・間食が多く適切な空腹時間がない
・毎日の食事時間が不規則
・運動不足で肥満
・アルコールやカフェインを過剰に摂取している
・精製砂糖やその他加工食品を常食している
これらの事柄は、食後の眠気の根元 「 アグニ(消化力)」の不調を助長させます
・
– 食後の眠気をリセットする
– 食事中に心がけると良いこと
眠気を緩和させるのに適した方法は
「眼を洗って(濡らして)」「散歩する」です
食後は決して横になったり、昼寝をしてはいけません
食後に寝ると、消化がストップして体内で未消化物が生成されます
これがカパ(浮腫み、脂肪、粘り、重だるい等)の増大にもつながります
・食後は 3 – 5 分ほどそのまま座って消化を見届ける ・食事中から背骨は真っ直ぐにする ・食後は片付けや散歩など、軽い動作を体に与える ・散歩といっても100歩程度、時間でいうと 2 – 3 分程度で十分です ・食後は水で手を洗い、口の中を徹底的にゆすぐ、目を濡らす |
これらだけでもずいぶんと眠気はスッキリします
カパを減らして、身体 – 思考を働かせます
(ちなみに食後すぐの眠気はカパ、1 ~ 2時間後の眠気はヴァ―タ、2~3時間後の眠気はピッタの増大といわれています)
目はピッタの器官で、消化管・胃と繋がっているため、目を水で洗うことでスッキリします
毎食後眠くなるのが当たり前で、
それを防ごうと栄養ドリンクや炭酸飲料、コーヒーを飲み、口に何かを入れておかなきゃとおやつを食べているとしたら、それだけでさらなるアグニ(消化力)の低下を招いてしまいます
やっぱり食事の質が大切
食べ物の質も大切です
食べ物からは「プラーナ(生命力エネルギー)」が受け取れるものをいただきましょう
それこそ若いころでは何をどう食べたって特に大きな支障もないのが人間の優れている点ですが、長年かけて体に蓄積する「経験」と「記憶」は段々と消化力を鈍らせ、代謝や免疫を落としやがて不調や乱れ「結果」に現れます
・空腹を満たすだけでなく心まで満たされるものを食べる
インスタント食品やファストフードで手短に済ませる前に、朝10分でも早起きしておにぎりを握っていきませんか?
カップ詰めされただけの食事と、自宅で握ってきただけの白米、どちらが “命が満ちる” でしょうか
優先順位を見直すと、何に時間を割くか、何を自分の体に取り入れかの選択も変わります
・新鮮でできたてのものを食べる
完成してから数時間、数日と時間が経ったものよりも、出来たてのものの方が食べたときに「気持ちいい」です
例えば 5 日前に作られてそれをラップでくるんでおき、食べる直前でチンして出されるものと、汁と米だけでも、その場で仕上がる食べ物とでは体の受け取る恩恵に差があります
私たちの体はフレッシュで美味しいものを好みます
・食事に集中する
食事中、他のことをしながら食べていたり他の感情がそこにあると、消化が妨げられます
よく噛まない原因にもなっていると思います
食事は = エネルギーを補充するため、生きるため、この世に存在するためのものです
よく噛んで味わえばそれだけで口からの消化酵素もつくられ、消化がスムーズにいきます
= 食後の眠気が解消されます
・食事の始まりは「甘味」から
口から消化が始まり、その後到着する器官「小腸」の味が「甘味」であるため、甘味から取り入れると消化がスムーズに始まります
また甘味は主にオーグメンティングの部類ですので消化にエネルギーを要すため、初めに食べるのが良いです
(穀類、さつまいも、カボチャ、人参、ビーツなど)
甘味をまるっと食べきるのではなく、「始めの一口」を甘味にすると良いです
・
数年前まで、
私自身「食後いつも眠い」パターンを繰り返していました
食後の眠気は異常なほどで、
起きていられずに白目をむくほどでした‥(苦笑)
立ち回り仕事から座り仕事に切り替わったとき、
毎日昼食後は言葉通り「使い物にならない」状態でした
何かを食べたり飲んだりしていないと 0 . 5 秒後には寝落ちするので、寝ないためにただただ口にモノを詰め込んでいました
それでも意識は朦朧として、
思考もはたらかないので仕事が全く進みませんでした
仕事の質も量も、何もかもズタボロでした
睡眠が足りないのか?
と早寝を心がけるも、変化はなく
食べすぎると眠くなるのだろうからと、
昼食そのものを減らすも、変化はありませんでした
(その分またおやつを大量に食べるので)
何をどうやっても改善がみられず、
その「結果」私はその仕事を続けることができなくなりました(失笑)
思い返せば、
慢性的な「アグニの弱さ」が原因でした
立ち回るスタイルでの仕事をしていた頃は目立たなかったけれど、私は長年かけてしっかりとアグニを弱める「原因」を育てていました
・シフト制の仕事で毎日不規則な睡眠、食事時間
・外食中心の食生活でいつも満腹&デザート必須
・アルコール、砂糖の入った飲み物の常飲…など
立ち回る仕事ではいつも立っていて、
じっとすることがほとんどなかったので乱れに気がつかなかったのかもしれません
じっと座った仕事をした瞬間、すべての「結果」が現れました
私が食後の眠気と決別できたのは、
さらに2年ほど経ってからでした
「‥‥あ、眠くない」
ヨガ留学時、一か月間の規則正しい生活、アーユルヴェーダの食事を中心とした日々で、私は毎食後の眠気を感じていない自分に気がつきました
いつも気を失ったように眠くなっていた自分をすっかり忘れていました
毎朝4時起きで瞑想、座学、ヨガ…
日々目まぐるしいほどの学習量と運動量(神経系まで深く使う感じ)であったにも関わらず、特に昼食後は座学から始まりずっと座っているのに眠いと感じることがなかったのです
関心の強いカテゴリーだから、ということも勿論含まれると思いますが、体が本当にラクでした
今思えば、血糖値が急に上がるような食事ではなく身体を想った鮮度の高いバランスの良い食事内容であったことや、ヨガや瞑想を通じて体が深部から解毒を経験しクリアになっていたことが改善のツテでした
・間食しないこと、砂糖やアルコールを口にしないこと
・毎日決まった時間でルーチンが行われること
・ヨガしてアーユルヴェーダ料理食べてひたすら浄化されていたこと
「食後、眠くないこと」
は、上記すべてが関わり合ったことで緩和されたたくさんのことのうちの一つでした(姿勢が良くなったとか、痩せたとか、肌荒れが改善されたとか…)
毎日の自分の身体を“生かし”、
死ぬその日まで心地よく扱うためには自分の意思と行動が大切です
一つのことに変化をもたせると、次に起こることも変わります
「結果」と「原因」です
・
アーユルヴェーダの基礎理念を実生活に役立てるための講座
Ayurveda Holistic 基礎講座は全 5 日間、 1 日 2 部構成で行われるカリキュラムです
〈 調 理 編 〉と〈 講 義 編 〉の両面から、自分とその環境に見合った食事や暮らし方を習得いただきます朝 – 昼 – 夕 / ドーシャごとに適した食事内容、アーユルヴェーダにおける体質理論、性質の捉え方からみるセルフケア方法、ほか
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i