【 ヴァータ・風の性質 】

3 つのドーシャの中で
最も軽くしなやかなエネルギーを持つ「 ヴァータ 」。

ヴァータは最も軽いエネルギーである分、最も早くに消耗や乱れを感じやすいドーシャですが、だからこそ日常のなかでケアすることが大切です。

ヴァータが穏やかな状態にあると加齢に伴う乱れは最小限に済みますし、健康寿命を長くします。

ヴァータの優雅さやその他の特徴 ( 長所・短所 ) 、
適切な食事や暮らし方を要約して綴りました。


ヴァータ優勢な人の体質と
その特徴について
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1〔 ヴァータの性質 〕
2〔 ヴァータ優勢な人(時)の見た目 〕
3〔 ヴァータ優勢な人(時)の心 〕
4〔 ヴァータ優勢な人(時)の動き 〕
5〔 ヴァータ優勢な人(時)に適した食事 〕
6〔 ヴァータ優勢な人(時)の適したライフスタイル 〕

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性質 軽 ・ 乾 ・ 速 ・ 動 ・ 風 ・冷
見た目 生まれつきヴァータが多い人は、ヴァータの質が心身に強く現れています。軽くて冷たく、動性のヴァータの属性がこの体質の心身の特徴です。

身長は低いか、細くてノッポ
鼻は鷲鼻で目は小さい傾向にあります
皮膚が冷たく乾燥ぎみで、髪もパサパサしています
歯並びは悪く多少不揃いのことが多いようです
筋肉質ではないので、血管や靭帯が浮き出て見えます

– アンバランス時 –
ヴァータのバランスが崩れると、便秘になったり、寒がりで手足が乾燥して冷たくなったり、ガスが溜まってきます。
緊張性頭痛、腰痛などの体の痛みが起きることもあります。不眠にもなります。

心の面では、サットヴァ(純性)が増えてヴァータのバランスがとれているときには、行動がすばやく敏感、快活で想像力が豊かです。
新しいものや変化を好み、順応性が高い人です。さらに理解力がよく、記憶力も速いのです。

ラジャス(動性)が増加してヴァータのバランスが崩れると不安が強くなり、気分が変動しやすくなります。
衝動的で集中力が激減したり、すぐに緊張してしまったり、記憶力がよくても忘れっぽくなったり、怖がりで、何事にも心配性になりがちです。

また、空虚感を伴った抑鬱状態を出すことがあります。これらはヴァータ体質の短所となります。

動き ヴァータがバランスされているときは、ヴァータのもつ良い面が出るため、機敏で活発、体が軽くて、頑張りもききます。傷の治りが速いのも特徴です。これらは長所となります。

行動の面にも速性が出てきますので、この体質の人は早口です。睡眠時間も少なくてすみます。

また、物事を率先して行うことが多いのですが、長続きがしません。悪くいえば、信念が変わりやすい人です。住所や仕事を変えることが多いそうです。お金を浪費する傾向もあります。


– アンバランスしやすい季節、年齢、行動と傾向、病気との関係 –

〈 精神的傾向 〉不安、緊張
〈 行動傾向 〉不規則性

〈 アンバランスになりやすい季節・年齢 〉
晩秋~冬、老年(年老いてからの時期)

〈 かかりやすい病気 〉
下半身の異常 (坐骨神経痛、腰痛、冷え性、大腸疾患)
神経疾患 (頭痛、脳卒中、パーキンソン病)
循環器病センター疾患  (狭心症、高血圧、心筋梗塞)

ヴァータ過剰によってかかりやすい病気がもっとも多くあります。

– その他 –
ヴァータ過剰によってピッタがアンバランスすると、慢性的な下痢になることがあります。

食事 ヴァータ過剰を鎮めるには、温かく良質な油分を含む、重さのある食べ物がすすめられます。
ギーを食事に加えるととても良いです。

甘味、酸味、塩味を適度に含むものを食事でとるようにします。
甘草やショウガ、シナモン等がよいでしょう。

刺激物や極端に苦味・渋味のあるもの、揚げ物や生サラダなどの乾燥したものは避けます。

– 適していないもの –
ヴァータが過剰になると同じ性質である“乾いたもの”を欲しがります。(揚げ物やスナック菓子、乾燥したパンや生サラダなど)
これらはヴァータをより乾燥させてしまいます。

一度に最低 20 回は噛み、消化のサイクルによい食事時間は 20 分前後です。

◇ 朝食
温かく、良質な油分を含む食べ物

◇ 昼食
一日のメインの食事とし、甘味、酸味、塩味を適度に含むものを多めにとる
良い油分と、ほどよく重さのあるもの

◇ 夕食
一日の最後の食事、軽めに、早い時間帯に食べ終える
甘味、酸味、塩味を適度に含むものをとる
良い油分と、ほどよく重さのあるもの

◇ 夜
ホットミルクが神経系を穏やかにしてよく眠れます

暮らし 「動く」ことがヴァータの性質なので、過剰なときはその逆のことを取り入れましょう。

落ち着いた動作を心がけて、工程ひとつひとつを「味わい」ます。
一度にひとつのことへ手をつけます。
乾燥によって心と体がパサつきやすいので、良い油分のある食べ物を中心に体をあたためる習慣を。

良質な万能オイル「ギー」を目へ 1 滴入れると、PC や太陽の光による刺激から目を守り神経を修復します。(ヴァータ過剰なときには特に目がきょろきょろするので)

運動はスローな動きのものを。ウオーキングやサイクリング、静かなヨガなど。
ヨガのアサナでは前屈のポーズ全般が効果的で、気持ちをリラックスさせて落ち着きをもたらします。
(通常、ヴァータ過剰時には前屈を難しく感じます)

下半身をカベに上げてそのまま10分~30分おくのもヴァータを鎮めるのに効果的です。
慢性的な下痢や便秘にはハーブティが進められます。1日に 1 ~ 2 杯飲むことでドーシャを鎮めて症状の解消が期待されます。

動きすぎによる鋭さや散漫は、長期的には習慣病やあらゆる病気のもととなります。「程よくゆるめる」を意識して過ごしましょう。103

参考文献:インドの生命科学 アーユルヴェーダ

ヴァータを整えバランスさせることで、ほかすべてのドーシャも安定しやすく、体と心が順調に循環します。
特に現代社会ではヴァータが乱れやすいため、より意識的にケアすることが大切です。

>> ヴァータのための食事献立表



アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i

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