アーユルヴェーダによれば、健やかさと幸福はイコールです。
アーユルヴェーダが今日この瞬間まで継承されているのは、それらすべてが自然界に根差した教えであり、普遍的であるからでしょう。
アーユルヴェーダの智慧は「本来そこにある自然の原則をそのままに用いたもの」である故、人に対し取り込むときにも「部分的」でなく「総体性」をもたせ施すことを推薦しています。
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– アーユルヴェーダによる健康の定義 –
・ 瞳、皮膚、マインドがクリアで輝いている ・ 声が澄んでいる ・ 汗、涙、尿、便、爪など老廃物が自然と定期的に出る ・ 特定の食物への渇望がない、食欲が安定している ・ 熟睡できる、新しい気持ちで朝目覚めることができる ・ 一日を通してマインド、体力が安定している ・ 人生への熱意が安定している |
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健康な心身を育むときには、これまでの自分の経験に対し
・より生きやすくなっているかどうか
・かえって生きにくくなっていないか
をしっかりと見つめることが大切です。
肉体的な健康と精神の状態は、人生を経験する重要な土台であるため、
そこに取り組むときにはきっとどんなことよりも自分自身への正直さ、オープンなマインドとちょっとした勇気が必要になることもあるでしょう。
私によってのヨガ・アーユルヴェーダの匠マイラは、
ヨガを学ぶにもアーユルヴェーダを学ぶにも、それはとても大切な、普遍的なことであるからいつでも「意識的」でいるよう説きました。
そして、正解や不正解に囚われることなく、自分にとっての選択をするということ。
現代において健やかさや幸福、というと完全なるポジティブな要素をイメージするかもしれませんが、私が体感するこれらは、ときに「苦しみや痛みを経験する力」であったり「困難を克服する勇気」でもあると捉えています。
私たちは共に生きるうえで当然困難なときもある。
その時、そのネガティブなエネルギーにのまれることなく、支配されることなく「生き抜く力」こそが健やかさや幸福の持つパワーなのだろうと。
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特に、私たちが真の自分 – 高次の自分との繋がりを妨げているとき、物事は現実のそれ以上の〝問題〟として生じる – 見えることがあります。
すると、身体にとって最善とはいえない選択をしたり心を誤認・誤用することになります。
これらの慢性化・鈍化が、乱れや不調の根源であるとアーユルヴェーダは云います。
・何をしても心から楽しめない
・頭がぼんやりとして何もする気が起きない
・何をしても中途半端で無駄に疲れる
・自分と他者とを区別し歪んだ孤独を感じる
・自分の心に葛藤や矛盾が行き来する
・本当は大切だと感じるものをどうでもよく思える
肉体的な毒素と同様に、精神にも毒素は蓄積します。
アーユルヴェーダではこれらの毒素 = 未消化物の蓄積が乱れや痛み、病の根源だとしているのです。
・胃、腹部は詰まっているのにまだ食べたいと思う
・食べ物、飲み物、煙草、酒など何かを口にしていないと落ち着かない
・食物や人間関係に嫌悪感を抱く
・自己評価を重ねて自己信頼感を失う
・情報や周りの状況を気にしすぎて自分自身を見失う
・熱狂的なシチュエーションと怠惰なシチュエーションを行き来する
これらは、心や思考にも未消化物が蓄積している状態で、単に暮らすことや食べること、生きることのサイクルを土台から阻むようになります。
本来、真の健やかは私たちの内側にすでにあるもの。
それを引き出し、育み、奏でるように過ごしていくと人生は割に自然と展開するようになります。
何かを取ってつけたり、必死に探して引っ張って来ずとも、それは自らの手によって着実に拡大していけます。
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何かを新しく学ぶときは、
( 特に自分自身を知り、探求するときには )
“ 頭を大きくする感覚で ” それを学ぶこと
アーユルヴェーダと出逢った当初、匠からそのように教えられました。
私たちは何かを学ぼうとする、
知ろうとする、
けれどその時、
同時に “ 過去のフィルター ” に囚われていると、新しく取り入れようとすることが 複雑に感じられてしまい、湾曲した印象としてそれらが取り込まれ、結果、なんだか “ 難しく” 思えてしまうのです。
頭を大きくし、
過去のフィルターを外しながら
今のことを見る。
物事を柔軟に捉え自由に受け取ることが、すでに健やかさや幸福への一歩になっています。
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真の健康を築き上げる
健やかさの基盤となるアーユルヴェティックな食事の概念について、シンプルに 3 つの事項を挙げました。
少しの意識と毎日の工夫によって、身体と心は可動し出し気づけばとてもラクにそこへ存在するようになる自分に気づくでしょう。
1・消化力を高めるための食事献立比
2・6 味の活用
3・体質、シチュエーションに沿ったレシピの考え方
1・消化力を高める食事献立比 まずは毎日の食事献立をシンプルにします。 全体的なバランスとして これで組織がほどよく安定し、かつ軽さも感じられるようになります。 2・ 6 味の活用 体と心とはバランスを求めているため、バランスのとれた食事では双方が満ちて安定します。 自然界の全エネルギーを表す五大元素は味に還元すると 6 種あり、甘味・酸味・塩味・苦味・渋味・辛味となります。 辛いだけの食事では後から甘味を強く欲したり、 6 味を含んだ食事は体と心にとって滋養供給と消化が充分にかないます。 3・体質やシチュエーションに沿ったレシピ 自分自身の状態に適した食事内容と量が健やかさの要です。 消化できる質と量の考慮には初めのうちしっかりと訓練が必要なこともありますが、実践するうちに身体が自然と応えるようになります。 炎症系トラブルの多い人は強い塩味や酸味や辛味を控え、苦味や渋味を摂るようにします。
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毎日できることからコツコツと整えていくことが大切です。
まずは今日できそうなこと、手軽なことから始めてみてはいかがでしょうか。
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
k a o r i