食べ物が身体を作り、食べ方が生き方を表します。
アーユルヴェーダで古くから食べられてきた滋養食「キッチャリー」の作り方をご紹介します。
キッチャリーは、主に米と豆をスパイスやギーとともに調理したもので、日本で云うところの〝お粥〟です。
米だけでなく豆(緑豆)を一緒にしていることで、体内を休めるのと同時に活力を深部から与えます。スパイスは消化促進に、ギーは内臓の潤いを増し心身の治癒を支えます。
自宅で簡単に作れるレシピについて、下記ご覧ください。
・
・
– レシピ –
おうちで作れるキッチャリー
* 人生で初めてキッチャリーやその他のアーユルヴェーダレシピを美味しくいただいた Hale Pule にて、匠マイラより直接レクチャーを受けたものをもとに記載しています。
【 食材 】 3 ~ 4 人分 ・お米 1 カップ ・ムング豆(緑豆) 1 / 2 カップ ・ギー 大さじ 1 ~ 3 ・岩塩 ひとつまみ ・すりおろした生姜 大さじ 1 ・水 3 ~ 4 カップ <シード状 スパイス> あればで○ <パウダー状 スパイス> アサフェティダ or フェヌグリークがあればなお ◯ ・野菜も入れる場合はオーグメンティングとエクストラクティブをバランス良く |
【 調理法 】20 – 40 分 * 圧力鍋で 20 分、通常の鍋で 40 分程度 1 鍋へ表記半量のギー、シードスパイスを入れて中火で加熱 2 洗った米と豆を入れて全体を混ぜ合わせる 3 水を入れる、火を強くして沸騰させる、蓋をする 4 加熱時間を下記の通り設ける 圧 力 鍋 普 通 の 鍋 5 別の鍋へ残り半量の ギー、パウダースパイス、岩塩、生姜を入れて熱する(焦げずに香りが立つ程度) 6 米と豆の鍋へ流し入れて全体を混ぜ合わせて完成 * 時間がないときはシードスパイスがはじけたタイミングでパウダー、岩塩も入れて調理、最後に生姜をすりおろす 補 足 * 一度キッチャリーの作り方が分るようになると、季節や体調に応じたレシピを創造できるようになります。 ・活動量が多くしっかりと食べておきたいとき → さつまいもやカボチャなどの根菜類と葉物を入れてグラウンディングがかなうキッチャリー * お米の種類は白米が最も消化にやさしいですが、玄米や押し麦などお好みの穀物で作っても良いです。 * 保存可能時間は「ほぼなし」 * ギーも手作りで |
・
キッチャリーを食べることによる
体調の変化
私自身は 2016 年、ヨガ留学を機に匠がアーユルヴェーダにも精通しているプラクティショナーであったことからキッチャリーを知り、食べる機会に恵まれました。
それもヨガ留学期間中の冒頭 1 週間は 1 日 3 食キッチャリーが続いたことで、その効能について直に変化を実感できました。
キッチャリーを食べる際、大切だと感じたのは食事だけでなくその〝食べ方〟や暮らし方全般のバランスについてです。
食事を食べるときに食事だけに集中することや、1 日を通しての一定の食事リズムなど、すべてが身体の機能を治癒し、根本からバランスが整っていくのを実感しました。
とは言っても、初めてキッチャリーを食べたときの感想は「・・・無?」といった感じて、それまでに刺激的なものを常食していたが故に物足りなさを感じた、というのが正直な想いです。
しかし身体はとても正直で、身体の心地よさに心は嘘をつけません。
2 , 3 日と食べ続ける過程で味わいが深く感じられるようになり、美味しいと思って食べられるようになりました。その後、食事全体への価値観も着実に緩和していきました。
キッチャリーは日本でいうところのお粥ですが、私の所感としてはスパイスやギーを適当に含むことで消化機能をやさしく促進して内からの浄化と活力をもたらすフィーリングがあります。
キッチャリーを連続して食べ、毎日を自然のサイクルに沿って暮らすことで 1 ヶ月後、以下のような変化がありました。
・ 一ヵ月で – 5 kg
・姿勢がとても良くなった
・寝起きと寝つきがとてもよくなった
・毎日快便になった
・浮腫みにくくなった
・怒り狂うことが減りマインドが安定した
ヨガ留学から帰国してからも毎日の食事でキッチャリーは定番になり、キッチャリーオムライスなどのアレンジも楽しんでいます。
キッチャリーを自らの手で作って食べる、
この一連を経験するだけでも食への感覚が大きく変わるキッカケに成り得ると思います。
アーユルヴェーダの古典には、【肉体・精神は習慣の産物で、「サトヴィックな食事」をするとそのような人に、「ラジャシックな食事」をしているとそのような人に、「タマシックな食事」が主となるとそのような人になる】とも記されています。
私たちの身体や精神は毎日口にしているもの(食物・環境・情報・感情のすべて)からできているのだと、アーユルヴェーダは知らせてくれています。
Ayurveda Holistic 基礎講座 アーユルヴェーダの基礎理念を調理編と講義編の両面から一紐解くプラクティス |
・
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
K a o r i