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世界や社会はスピードを求めますが、
私たち人間はじっくりと時間をかけて変容し、成熟していくものです
自分の変化や成熟、はたまた成功に対し
「急いで」いるとしたらそれは便利さに慣れてしまった脳の仕組みのせいです
肉体的エネルギーと精神的習慣は生まれつきから今日まで、
長い年月をかけて様々な形を重ねてきています
人によって求める変容や改善は違いますが、
アーユルヴェーダは「着実に」、
そして「根源」からそれに取り組むよういいます
自分のこと、体のこと、心のことは
時間をかけたほうがいいし、
時間がかかったほうが後に良い結果になることがあります
なので、
なんでも早いほうがいい、という期待は一掃しましょう
早くここを潜り抜けたい、という思いも手放しましょう
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日頃から自分のことと真摯に向き合っている人は、
仕事や他のことでも、うまくいきやすくなります
感覚機能が研ぎ澄まされ、感性もクリアな状態にあり
思考も明晰さを増して、故に対処力がスムーズです
それでいて本人は
それを夢中でやっているだけなので、
楽しく、またあっという間にそれをします
(ヨガアサナや瞑想も継続するごとに「ここ」へ向かっていきます)
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自分自身をよく理解しないままに
外界から植え付けられたイメージ像や期待に沿って走り続けると、
あちこちにエネルギーが分散し、結局
自分にとっての幸福は何だろうか、と人生の全貌が見えにくくなります
また身体を考慮しないやり方でのケア、
体質に見合わない食事や暮らし方をムリに続けていると
どんどん自分らしさがわかりづらくなり、
本当に良い状態、
本来の力の宿ったパフォーマンスを永遠に築けないというサイクルに陥ります
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自分とよく向き合うことは
人生をより良く、生産的に、建設的なものにします
そしてそれは自分だけでなく、
家族や住んでいる地域、次世代へと継承されていきます
何かに溺れるのは簡単
自分と向き合うことを放棄して
一瞬で気持ち良くなれる様々な娯楽
(アルコール、カフェイン、白砂糖、食物、セックス)
を通して絶えず五感を満足させているとどうなるでしょう
外界のもの – 他力ばかりで自分の力を使うことなく
それらに身を投じていると、感性、明晰さ、
内なるしなやかさは日に日に曇っていきます
そうして度々訪れる乱れ、痛み、不感症、あるいは病気。
これらを見て見ぬふりをして、
再び短絡的に気持ちよくなれることを続けるのはとても安易な手段であり、
本人にとってはそれ以外に選択肢がないとさえ感じられるケースも珍しくありません
アーユルヴェーダが「全ての病は無知によるもの」と云うように、
健やかさや真の幸福は「知性」の有無にかかっているともいえます
自分と向き合い、
心 – 体に対する理解や受容を深めていくなかで
分離していた身体と心は次第に一つになり、
本来あるべき姿での行動をし始めます
「一瞬で」気持ちよくなれることの代わりに自分と向き合い、
「持続的」な心地よさ、幸福を探求しませんか
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* 人は習慣によってつくられる
アーユルヴェーダの視点から自分と向き合うツールとなるいくつかのヒントを記載します
・イライラしやすい人、気が短い人は
白砂糖、ピリッとした辛い食べ物を控えるかやめましょう
・欲深い人、嫉妬しやすい人は
すっぱいもの、酸味の強い食物を控えるか抜きましょう
・不安になりやすい人、心配事が多い人、考えがまとまらない人は
天然の甘味 – 炊きたての白米やサツマイモ、カボチャ類を1度の食事で 60 %とりましょう
眠る前に温かいミルクをのみましょう
・便秘の人は
食事前に目を瞑り深呼吸をしてお腹の力を抜きましょう
食物は徹底的にかみ砕いてから飲み込むようにしましょう
朝起きたらまず白湯をのみましょう
・太りやすい人は
お昼をメインにしておやつはなし、昼寝する代わりに散歩して
夜22時に布団に入り、寝室には携帯を持ち込まないようにしましょう
アーユルヴェーダ省察プラクティショナー
K a o r i